年金だけで暮らせる?老後も続く税金・保険料・住まいの固定費
老後の生活費を考えるとき、
「住宅ローンも終わるし、子どもも独立するから、今より支出は減るはず」
と思う方は多いでしょう。
確かに、通勤費や教育費など、退職後に減る支出はあります。
しかし、仕事を辞めても、固定費まで一緒に退職してくれるわけではありません。
老後の家計を考えるときは、年金の額だけでなく、そこから何が引かれ、何を払い続けるのかを確認しておくことが大切です。
年金は、額面どおりに使えるとは限りません
年金の見込額を見て、
「毎月これだけ受け取れるなら大丈夫そう」
と思うかもしれません。
ところが、公的年金は一定の条件に該当すると所得税や住民税の対象になります。また、介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料などが年金から差し引かれる場合もあります。
そのため、年金の額面と、実際に振り込まれる手取り額には差が生じます。
税金や社会保険料は、年齢、所得、加入する医療保険、住んでいる自治体などによって異なります。「年金から一律で何割引かれる」と考えることはできません。
老後の収支を考えるときは、額面の年金額をそのまま生活費として使える前提にしない方が安心です。
退職した翌年の住民税にも注意
住民税は、原則として前年の所得をもとに計算されます。
退職して収入が減ったのに、前年の給与をもとにした住民税を支払うことになり、「思っていたより負担が大きい」と感じることがあります。
健康保険も、退職後は会社の健康保険の任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の扶養など、条件に応じて選択肢が変わります。
退職時は、退職金や年金の受け取り方だけでなく、翌年までの税金と社会保険料も含めて確認しておきたいところです。
持ち家でも住居費はゼロになりません
住宅ローンを完済すれば、住居費がなくなると思われがちです。
けれども、持ち家には固定資産税がかかります。マンションなら管理費や修繕積立金、駐車場代なども続きます。
戸建てでも、屋根や外壁、給湯器、水回りなどの修繕が必要になります。修繕費は毎月出ていくものではありませんが、ある日まとまってやって来ます。
毎月の家計に表れないからといって、存在しないわけではないのです。
年間にかかる税金や修繕費を12か月で割り、毎月の住居費として考えておくと、老後の生活費を把握しやすくなります。

民間保険や車、スマホ代も見直してみる
老後も続く固定費には、生命保険料、自動車関連費、通信費、サブスクリプションなどもあります。
一つひとつは小さく見えても、毎月、そして何年も払い続けると大きな金額になります。
ただし、固定費は何でも削ればよいわけではありません。
車が生活に欠かせない地域もありますし、保険を解約した後では入り直すことが難しい場合もあります。その支出が自分の暮らしに必要かを、一つずつ確認することが大切です。
「老後資金はいくら必要か」を考える前に、まずは年金の手取り見込額と、老後も残る固定費を書き出してみましょう。
毎月の不足額が見えてくれば、必要な老後資金も少しずつ具体的になります。
アイビーFP相談所では、年金や貯蓄だけでなく、税金・社会保険料・住まいにかかる費用も含めて、退職後の家計を一緒に整理しています。
まだ退職まで時間がある方も、お気軽にご相談ください。
参考:国税庁「公的年金等の課税関係」、日本年金機構「年金からの保険料・住民税等の特別徴収」

